
〇 こんな傾向はありませんか?
(こういうところが見られたらあてはまるかもしれません)
- 読書や板書に時間がかかる
- 探し物が苦手
- どちらかというと集団行動が苦手で、周囲から「マイペース」と言われることが多い

〇「処理速度指標(PSI)が弱点」メカニズムと発達心理、学習理論による対策
【WISC-Ⅳのおさらい】
WISC-Ⅳとは、知能検査のひとつであり、全検査IQ(FSIQ)から、全体的な知的能力の水準を推定します。
FSIQの算出には、特定の知的能力を示す4つの指標(=言語理解指標(VCI)・知覚推理指標(PRI)・ワーキングメモリー指標(WMI)・処理速度指標(PSI))が用いられます。
今回は、この4指標のうち『処理速度指標(PSI)』について、詳しく説明していきます。
【処理速度指標(PSI)とは?】
処理速度指標(PSI)とは、比較的単純で習慣的な情報を、正確かつ素早く処理する力をいいます。一見、いわゆる単純作業の得意・不得意のみを測定していると解釈されやすいのですが、ここで最も必要とされるのは“見る力”です。これは単に視力のことではなく、見たいものを見つけ出す力(=視覚的探索)と、見たものと手の動きを連動させる力(=目と手の協応)を指しています。
普段、皆さんが何気なく受けている授業、そこではこのPSIが存分に発揮されているのです。例えば、教科書を読む際、たくさんの文字の中から、読むべき文字を探し出し、次に読むべき文字へと視線を移動させています。また、板書をする際、黒板の文字や図・記号を見て、ほんのわずかな時間だけ脳内に留め置いた後、ノートに視線を移し、自身の手でそれを再現(もしくは再構築)しています。(前者は、視覚的探策について、後者は、目と手の協応についての例と捉えていただければ結構です。)
つまり、“見る力”がスムーズに働くことによって、私たちは教科書が読めたり、板書ができたり、延いては日常の些細な活動が円滑に行えるのです。
【PSIが苦手とは?】
処理速度指標(PSI)の評価も、FSIQやVCI・PRI・WMIと同じく、PSI:90~110を同年代の「平均」とし、その高低から得意・不得意を推測します。

このPSIが平均を下回っている場合、周囲と同じペースで授業・課題についていくことが難しくなると考えられます。また、全体的に行動がゆったりしているため、周囲からは“マイペース”と評されやすくもありますが、当人は“置いてけぼり”にされているなどと、疎外感を覚えやすくあるかもしれません。
【注意点】
目と手の協応について、もう少し説明を加えます。基本的にPSIは、目の動きに手の動きを合わせる力を推定していますが、広くは運動機能全体との関連も指摘されています。
キャッチボールが良い例でしょう。キャッチボールは、まずこちらに向かってくるボールを目で追い、ボールが到達する位置とタイミングを考え、そこに向かって走りながら手を伸ばしキャッチする、まさに目と身体の協応といえますね。
こういった運動機能は、練習や経験によってだんだんと上達していきます。つまり、PSIも適切な練習と経験を重ねることで、向上する可能性も期待できるというわけです。

〇 生徒の対策
①順番にはこだわらず、できることからはじめてみよう!
②自分のペースを尊重しましょう!
学校のテストには、制限時間がつきものですね。「最後の問題まで解けなかった…」などと悔しい思いをしたこともあるのではないでしょうか。こういった時は、必ずしも1問目から取り掛かるのではなく、得意な問題・容易な問題からはじめてみましょう。
また、切り替えることも重要です。2、3度考えてもわからない問題は、潔く飛ばして、次の問題に取り掛かりましょう。きっとそのうちに、解ける問題が増え、テストのコツがつかめるはずですよ。
基本的に学校(に限らず、社会全体かもしれませんね)は、“平均”を求めてきます。皆と同じように、授業を受け、課題をこなし…時には皆と協力して何かを行うことも、当たり前の活動となっているでしょう。
しかし、本来は、個人それぞれに得意なペースがあり、一人ひとり違いがあるはずです。こういったとき私たちは、相手との違いを受け入れられずに、「〇〇さんとは気が合わない」、「××さんは私のことを良く思ってない」などと、気が立ったり、落ち込んでしまったりもしますね。でも、このとき何より大事なのは、あなた自身があなたを認めてあげることです。
こんな言葉があります。―みんなちがって、みんないい―ご存知の方も多いと思いますが、これは今から100年以上前の詩人金子みすゞの作品『私と小鳥と鈴と』の中の一節です。興味を持った方は、ぜひ読んでみてください。“あなたはあなたでいい”と、語りかけてくれるはずです。
〇 講師のサポート
①なるべく急かさずに!
②強制的な集団行動はなるべく控えて!
処理速度指標(PSI)が低い場合、先にも記している通り、全体的に行動がゆったりしており、傍から見るとぼーっと、まるで怠けているようにも感じられます。しかし、実際には、さまざまなことを考え込んでしまい、頭の中は非常に落ち着かない状態であることが多いのです。
こういった場合、講師側はいったん待ってあげ、「〇分たったら声かけるね」、「これについて考えるのは〇分までにしようか」などと、具体的なゆとりを持たせてあげられるような声掛けが行えるとより良いように思います。
周囲と足並みを揃えて行動すること、相手のペースに合わせるよう自分のペースを調節することが苦手であり、負担に感じる場合も多いとされています。生徒の対策2.でも示した通り、なるべく生徒本人のペースを尊重してあげつつ、かといって疎外感にはつながらないよう、“適度な距離感”を築くことが望ましいでしょう。
〇 役に立ちそうなリソース
- ビジョントレーニング
- <動画>【WISC知能検査】PSI(処理速度指標)だけ高い場合の改善方法
- <動画> 【WISC知能検査】VCIとPSIに差がある場合の改善方法
- <動画> 【WISC知能検査】PRI(知覚推理指標)とPSI(処理速度指標)に差がある場合の改善方法
- <動画> 【WISC知能検査】WMI(ワーキングメモリ指標)とPSI(処理速度指標)に差がある場合の改善方法
- <動画>【WISC知能検査】ウィスクでWMIとPSIが高くVCIとPRIが低い場合の改善方法
- <動画>【WISC知能検査】VCIとWMIが高くPRIとPSIが低い場合の改善方法
- <動画>【WISC知能検査】ウィスクでPRIとWMIが高くVCIとPSIが低い場合の改善方法
- 薄井晶著 『方法別冊』(不登校・学習障害・発達障害・WISC ver.)ファストブック(2022)
“見る力”をより良く機能させるためのトレーニングです。近年では、療育施設など実施機関も増えているようですが、ご自宅でも手軽に取り組めるように、書籍もいくつか出版されています。一日数分程度から取り組める課題もあり、ゲーム感覚ではじめてみてもよいかもしれません。
例)「ビジョントレーニング・ワークブック」ナツメ社
「発達障害の子どもを伸ばすビジョントレーニング」実務教育出版
〇学習障害がある方が学べる個別指導の専門塾
WISCの結果を生かして特性を考慮しながら受験指導
SMKの完全個別ゼミ

〒182-0026 東京都調布市小島町1丁目4−6 三田調布シティハウス 107
TEL:042-426-7295
京王線調布駅から徒歩1分。
甲州街道の小島町交差点すぐそば。
塾の前に自転車がとめられます。

〒154-0017 東京都世田谷区世田谷3丁目2−2 メルシー世田谷 103
TEL: 03-6804-4076
東急世田谷線世田谷駅、下高井戸方面下車、歩いてすぐ。
通りを渡って美容院のある角を曲がってください。看板が見えます。
*駐輪場完備

〇 生徒・ご父兄の声
分からないところを分かるようになるまで
東京都調布市 H.M.君都立神代高校 大成高校(文理進学)合格
中三になると同時に授業を受け始めました。学校では分からないところを授業で質問する
ことは ありませんでした。クラスの人の時間をうばってしまうからです。
ですが個別授業なので分からないところを聞くことができ分かるようになるまで
ていねいに教えていただきました。
またなんで分からないの?という感じが無かったので気軽に質問できました。
勉強や模試の結果について客観的な意見を聞くことができたのも良かったです。
内申点を上げるための小テストや提出物の指導を
仰ぎました。
東京都調布市 R.Y.君 ご父兄 大東高校 都立武蔵村山高校 合格
中学3年生の6月より転塾し、都立受験本番の2月までお世話になりました。
内申点を上げる為にも、日々の授業での小テストや提出物の指導を仰ぎ、
どうにか私立併願を取ることができました。
第一志望の都立高校選択の際も、迷う度に面談をしていただき、
親子共々、納得のいく高校を選ぶことができました。
一般受験に向けての準備を進める中で、推薦受験の作文指導や面接もフォローして頂き、
心強かったです。
LDのグレーゾーンという中で、本人も粘り強く頑張った受験でした。
先生方には、本人へのインストール方法を考えて頂き、力をつけて下さった事、
深く感謝しております。
これからも最後まで諦めない精神で頑張っていって欲しいです。
本当に感謝でいっぱいです。
勉強のやり方を知れば結果にあらわれることを
体験できました。
東京都調布市 小林 祐貴君 ご父兄
東京工芸大学工学部 電気電子コース 化学・材料コース 合格
調布ゼミとの御縁は、高校入試の時にお世話になり3年がたち大学入試にむけて
息子の希望で 再度調布ゼミに入塾することになりました。
昨年は、コロナ禍にあり緊急非常事態宣言によって対面での受講ができず不安が
ありましたが、 ZOOMを使って普段通りの授業が自宅で学習できるよう
迅速に対応して下さいました。
中学までは、勉強が苦手と思っていたようですが、調布ゼミでご指導いただくことで
苦手意識から勉強のやり方を知れば自信につながり努力した事が結果に表れることを体験できました。
先生方の丁寧なご指導に心から感謝しております。ありがとうございました。
<監修>
臨床心理士・公認心理師 堤 梨乃
SMK 薄井晶